継承とは、新しい文書を作成するときに、時間を節約したり、文書間の整合性を確保するために、既存の文書からフィールドの値をコピーすることです。
Notes® クライアントで文書からフィールド値を継承するには、新しい文書を作成するときに、元の文書を Notes クライアントから開くか、元の文書をビューでハイライト表示する必要があります。
Web アプリケーションでは、新しい文書の継承元となる文書は、Domino URL コマンドの URL 引数 ParentUNID に基づいて決定されます。例を次に示します。
http://server/db.nsf/InheritanceForm?OpenForm&ParentUNID=6b87e303374b19148525639a00506656
別の文書から情報を継承するフィールドを作成することにより、不要な入力作業の手間を省き、関連する文書間の整合性を保つことができます。新しい文書を作成するためのフォームを開きます。
値が継承されると、その値は、現在表示されている文書ではなく、最後に保存したバージョンの文書に読み込まれます。[表示用の計算結果] フィールドの値は保存されないため、継承されません。
式は、親文書のフィールドの値を継承します。フィールドは値を継承しません。ただし、フィールドのデフォルト値または計算結果の値に式を使用した場合は、値を継承します。新しい文書のフィールドに同じフィールド名を使用するだけでは、そのフィールドの親文書の値を継承するには不十分です。
親文書から継承された値を使用できるのは、新しい文書の作成中だけです。新しい文書を作成し、編集のために保存するか表示すると、親文書の値を式に使用することはできなくなります。
新しいフォームのフィールドが、親フォームのフィールドと名前を共有する場合、新しいフォームのフィールドの前に記述した式でそのフィールド名を参照すると、親フォームのフィールド値が使用されます。このフィールド名を、新しいフォームのフィールドの後に記述した式で参照すると、新しいフォームのフィールド名が使用されます。例えば、新しいフォームに 3 つのフィールドが次の順番で配置されているとします。
OrigSubject: 作成時の計算結果、式 Subject
Subject: 編集可能、デフォルト値の式 "Re: " + Subject
OrigSubject2: 作成時の計算結果、式 "Topic: " + Subject
フィールド OrigSubject2 には、テキスト「Topic: Re:」と、その後に親文書の Subject が設定されます。これは、新しいフォームに定義されている Subject の値が使用されるためです。
[顧客連絡先] アプリケーションには、[レター] というフォームがあります。このフォームは、[会社のプロフィール] 文書から情報をコピーして継承します。[会社のプロフィール] には、名前と宛先のフィールド ([名(FirstName)]、[姓(LastName)]、[宛先])、[FullName] という非表示の計算結果フィールド (と式 FirstName + " " + LastName) があります。
[レター] フォームには、この式のデフォルト値が "Dear" + FullName である編集可能フィールド [挨拶文] と、式のデフォルト値が Address である編集可能フィールド [宛先] があります。
Notes クライアントユーザーが、あるビューで [会社のプロフィール] 文書をハイライト表示し、メニューから [作成] - [レター] を選択すると、作成されたレターには受取人の宛先と挨拶文が最初から入力されています。ここで、ユーザーは必要に応じてこれらのフィールドを編集できます。
Web ユーザーが [会社のプロフィール] 文書を開いてボタンをクリックし、[レター] 文書を作成した場合、この文書も同じように機能します。