ユーザーが Notes クライアントまたは Web ブラウザを介してアクセスするアプリケーションを計画している場合は、プラットフォームごとにアプリケーションをカスタマイズするための何らかの設計作業を行う必要があります。例えば、Notes クライアントのアプリケーションに適したナビゲーション構造が、Web ブラウザのアプリケーションでは適切ではない場合があります。Notes と Web の両方に最適なアプリケーションを設計すると、約 85%の設計はどちらのクライアントにも適していますが、残りの 15%は何らかの修正作業が必要になります。Notes と Web のユーザー向けのアプリケーションを計画する場合に考慮すべき点は、次のとおりです。
Notes アプリケーションの作業領域 (Domino サーバーの機能と Notes クライアントの機能) は、ブラウザベースのアプリケーションのアーキテクチャとは大幅に異なります。これは、Notes クライアントの機能が Web ブラウザの機能とまったく異なり、ブラウザとサーバーで通信に使用するプロトコルもまったく異なるためです。
Domino では、Sun Microsystems 社の Java™ や JavaScript を使用して Notes クライアントの機能をより忠実性に優れたブラウザ用に変換できるため、Web アプリケーションのユーザーはアクションバー、リッチテキスト、ビューなどの Notes の機能を慣れ親しんだ方法で利用できます。ただし、Web には Notes 文書オブジェクトモデル (DOM) やリモートプロシージャコール (RPC) プロトコルに相当する機能はありません。Notes クライアントでは、タスクを実行するための指示をサーバーに送信して、更新された結果を現在開いているフォームまたは文書内でサーバーから受信できます。ブラウザとサーバー間では、このような対話はありません。ブラウザでできるのは、サーバーに要求を送信することだけです。また、サーバーでできるのは、完全なページをブラウザに送信することだけです。
Web ブラウザやブラウザ/サーバー間のアーキテクチャの制限は、Notes クライアントと Web ブラウザの両方のユーザー向けにアプリケーションを実行する方法を考える上で、解決する必要のある多くの問題の基礎となります。