関係 (比較) 演算子

関係演算子 (比較演算子とも呼ばれる) は、2 つの式を比較します。

構文

expr1 operator expr2

要素

expr1、expr2

任意の式。

operator

演算子は、<、>、<=、=<、>=、=>、<>、><、= のいずれかです。

戻り値

2 つの数値オペランドと関係 (比較) 演算子から構成される式の結果は、True または False です。ただし、どちらか一方または両方のオペランドが NULL であれば、結果は NULL になります。

LotusScript® での True (-1) と False (0) の値の扱いについては、「データ型、定数、変数」の章の「論理値」を参照してください。

次の表は、どちらも NULL でない場合の 2 つの式の比較結果です。

演算子	演算	結果は True	結果は False
<	より小さい	expr1 < expr2	expr1 >= expr2
<= または =<	以下	expr1 <= expr2	expr1 > expr2
>	より大きい	expr1 > expr2	expr1 <= expr2
>= または =>	以上	expr1 >= expr2	expr1 < expr2
=	等しい	expr1 = expr2	expr1 <> expr2
<> または ><	等しくない	expr1 <> expr2	expr1 = expr2

使用法

関係演算子は expr1 と expr2 のデータ型に応じて、数値比較か文字列比較のいずれかとして解釈されます。次の表は、これらの解釈を示しています。数値のデータ型は、Integer、Long、Single、Double、Currency、日付/時刻 (Variant 型の変数のみ) です。

一方のオペランド	他方のオペランド	演算
数値	数値	数値比較。
数値	数値データ型の Variant 型、または数値に変換できる文字列値を含む Variant 型	数値比較。
数値	数値に変換できない String 型の値を含む Variant	型の不一致エラー
数値	EMPTY を含む Variant 型	EMPTY 式としてゼロを使用した数値比較
文字列	文字列	文字列比較
文字列	Variant 型 (NULL 以外)	文字列比較
文字列	EMPTY を含む Variant 型	文字列比較
文字列値を含む Variant 型	文字列値を含む Variant 型	文字列比較
EMPTY を含む Variant 型	文字列値を含む Variant 型	EMPTY 式として空の文字列 ("")を使用した文字列比較
数値データ型の Variant 型	数値データ型の Variant 型	数値比較。
EMPTY を含む Variant 型	数値データ型の Variant 型	EMPTY 式としてゼロを使用した数値比較
数値データ型の Variant 型	文字列値を含む Variant 型	数値比較。数式は文字列式よりも小さい
EMPTY を含む Variant 型	EMPTY を含む Variant 型	式は等しい。

文字列比較

文字列比較の場合は、Option Compare ステートメントで比較方法を設定します。

Option Compare Case ステートメントと Option Compare NoCase ステートメントを使用すると、使用中の IBM® ソフトウェアで決まっている文字の照合順序を使用して比較方法を指定できます。Case は大文字と小文字を区別する文字列の比較を指定し、NoCase は区別しない比較を指定します。
Option Compare Pitch ステートメントと Option Compare NoPitch ステートメントは使用中のソフトウェアで決まっている文字の照合順序を使用して比較方法を指定できます。Pitch は全角と半角を区別した文字列の比較を指定し、NoPitch は全角と半角を区別しない比較を指定します。このオプションは、アジア言語 (2 バイト) に適用されます。
Option Compare Binary ステートメントを使用すると、プラットフォームの照合順序で文字列を比較できます。その結果、プラットフォームのソート順で、大文字と小文字を区別する比較が実行されます。

Option Compare ステートメントを省略すると、既定では、文字列の比較方法は Option Compare Case、Option Compare Pitch と同じになります。

文字列を比較するとき、LotusScript は、各文字列の最初の文字から 1 文字ずつ調べます。2 つの文字の照合順序の値 (文字の順序内における位置の前後関係) が比較されます。

2 つの値が等しくない場合、大きい照合順序の値の文字 (文字の順序内で後に位置する文字) を含む文字列が、より大きな文字列となります。
2 つの文字の照合順序の値が等しいときや、どちらの文字列にもまだ文字があるときは、文字列比較は次の文字に進みます。

この処理が 2 つの文字列の終りに同時に達した場合、2 つの文字列は同じ長さで等しいと評価されます。それ以外の場合、長さがより長い文字列は、より大きな文字列です。

データ型変換

比較演算でオペランドのデータ型が異なる場合、可能であれば、比較の前に同等のデータ型に変換されます。

EMPTY 値のオペランドは、もう一方のオペランドが数値の場合、ゼロに変換されます。
データ型が異なる数値オペランドの場合、比較の前に、小さい方の型のオペランドの値が大きい方の型に変換されます。数値データ型の順序は、小さい方から順に次のようになっています。
BOOLEAN 型

BYTE 型

INTEGER

LONG 型

SINGLE 型

DOUBLE

CURRENCY
Single 型または Double 型の値を Currency 型に変換すると、値の有効範囲を超えたり、精度が落ちたりする場合があります。
Single 型の値を Double 型の値と比較する場合、Double 型の値は Single の型の値の精度に丸められます。
数値型と解釈することができる値を含んだ文字列は、必要であれば、数値型に変換されます。

日付/時刻の値に対する関係演算は、日付と時刻の両方に対して行われます。2 つの日付/時刻の値が等しくなるためには、日付と時刻の両方が等しくなければなりません。等しくないというのは、少なくともどちらか一方が等しくないということです。これ以外の演算については、比較は、最初に日付に対して行われます。日付が等しければ、時刻に対しても比較が行われます。

例

数値を比較します。

Print 1 < 2                              ' Prints True
Print 2 > 1                              ' Prints True
Print 1 <> 2                             ' Prints True
Print 2 >= 2                             ' Prints True
Print 2 <= 2                             ' Prints True
Print 2 = 2                              ' Prints True

文字列を比較します。

Print "hello" < "hellp"                  ' Prints True
Dim myVar As Variant, myStr As Variant
myStr = "34"
myVar = 34
Print myVar < myStr                      ' Prints True
Print 45 > myStr                         ' Prints True
Print "45" > myVar                       ' Prints True

2 つの数値をより詳細に比較します。

anInt% = 10
anotherInt% = 15
Dim theResultV As Variant

If anInt% > anotherInt% Then
   Print anInt% & " is greater than " & anotherInt% & "."
Else
   Print anInt% & " is less than or equal to " & _
        anotherInt% & "."
End If
' Output: 10 is less than or equal to 15.
theResultV = (anInt% > anotherInt%)
Print theResultV
' Output: False
Print CInt(anInt% > anotherInt%)
' Output: 0
Print (anInt% > anotherInt%) = False 
' Output: True
' because the expression (anInt% > anotherInt%) = False
' is True.