サーブレットは、Web ブラウザからの要求に応じて実行される Java™ プログラムです。エージェントと異なり、サーブレットは Web サーバーの起動と同時に開始され、サーバー上に常駐します。サーブレットは Web ページの動的な生成や更新を行ったり、異なるアプリケーション間でデータを交換したりするのに、一般的に使用されます。XML をアプリケーション間の共通言語として使用することで、サーブレットの能力を拡張してアプリケーション間をつなげるブリッジとして使用できます。Java サーブレットは処理のために XML タグを生成してサーバーに送れるだけでなく、LotusXSL processor と相互作用して XML タグで表現されたデータをフォーマットできます。XSL と XML を併用すると、データの転送をカスタマイズする強力なツールとなります。
サーブレットが XML を利用してカスタマイズされたデータのパッケージを配信する方法の例として、ある組織における営業担当者が Domino データベースから Notes® クライアント、ブラウザ、または PDA といったさまざまなデバイスを使用してデータをダウンロードする場合を考えてみます。営業担当者は、特定の顧客に関するすべての情報を Domino アプリケーションに要求できます。サーブレットは、さまざまなデータソースから情報を組み立て、適切な XML タグでその情報をパッケージ化します。サーブレットではさらに LotusXSL processor を使用して XML でタグ付けされたデータにスタイルを割り当て、接続デバイスに最も適した形式でデータを送ることができます。このケースでは、低速ラインの PDA を使用して接続している営業担当者より、高速ネットワーク接続で Notes クライアントを使用している営業担当者のほうがより多くの情報を得られることになります。
次の図では、接続デバイス、サーブレットを実行している Domino アプリケーション、そしてバックエンドデータベースの間の関係を示しています。
重要なカスタマイズされたデータをサーブレットによって提供する別の例には、Domino データベースに保存された売り出し中の物件情報を扱った不動産アプリケーションが考えられます。不動産業者または購入予定者は、Web ブラウザを使用して Domino アプリケーションに売り出し中の物件に関する情報を要求します。ユーザーは、部屋数などの検索条件を設定します。サーブレットが Domino アプリケーションで実行され、指定された検索条件に合うすべての文書を検索して収集します。サーブレットは、検索したデータを適切な XML タグで動的に囲みます。例えば、<HOUSE> や <HOUSETYPE> などです。次に LotusXSL processor を使用して XSL スタイルシートからスタイルが割り当てられ、XML タグデータが HTML に変換されます。こうして適切にフォーマットされたデータは、要求が行われたブラウザに送信されます。
サーブレットは最初から作成することも、既存のサーブレットを URL で参照することも、既製のサーブレットを使用することもできます。サーブレットを変更するたびに、変更を反映するためにサーバーを再起動しなければなりません。サーブレットを実行するためには、サーブレットを記述してから Domino でのサーブレットサポートを有効にします。必要に応じて、サーブレットのプロパティを設定します。
Domino サーバーでサーブレットを実行する方法の詳細については、「Java サーブレットの概要」を参照してください。
Java サーブレットに関する一般的な情報については、Oracle のサイト http://www.oracle.com/technetwork/java/index.html にアクセスしてください。
XML タグを Java サーブレットに含めるには、LotusXSL Processor が必要です。LotusXSL Processor は IBM® AlphaWorks サイト http://alphaworks.ibm.com/formula/LotusXSL からダウンロードできます。