この記事は、「Domino管理者アップデート認定試験対策」シリーズです。
V12 の新機能とあわあせてメールに関して一通りの基本知識が試験では試されます。まずは新機能からおさらいしていきましょう。4つのうち後ろの3つは標準化された機能ですので、仕組みの勉強として理解しておくとよいでしょう。
データベースのレプリカは、自動的に容量制限も複製されるようになりました。V12 より前は個別に容量制限を設定する必要がありました。意図的に以前の動作にさせるには、notes.ini で DISABLE_REPL_QUOTA=1 を設定します。
参考 URL: データベース制限値設定の複製
国際化ドメイン名 (IDN) のサポートが 12.0.1から始まりました。ドメイン名は一般的に ASCII 文字で構成されていましたが、国際化ドメイン名では非英語圏の文字も使われます。日本語もそうですがドイツ語のウムラウトなど、企業名や組織名の本来の名称でドメインを取得、運用している場合に、それと合致したドメイン名でメールのルーティングができるようになりました。
日本では、日本語ドメイン名が一時期盛り上がりましたが現在は ASCII 名で落ち着いているようです。ヨーロッパなどの非英語圏では、この機能が重宝されています。
メールのなりすましを軽減するために Sender Policy Framework (SPF) という仕組みが存在しています。これは、IP アドレスを使用して、メッセージの見かけ上の送信者のドメインから許可されたメッセージの送信者として送信側サーバーを認証できます。送信側ドメインは、TXT レコードを使用して DNS に SPF ポリシーを公開します。受信側サーバーは、DNS 参照によって送信側ドメインの SPF ポリシーを取得し、送信側サーバーの IP アドレスがドメインからのメールの許可された送信者として指定されているかどうかを判別するものです。送信側サーバーが許可された送信者でない場合、ポリシーによって SPF 評価の結果を分類する方法が指定されます。この仕組みを Domino V12 では備えています。
Domino V12 では、ドメインキー識別メール (DKIM) を使用して、内部ユーザーから外部インターネットドメインに送信されたメッセージに署名できるようになりました。
仕組みの詳細は RFC6376 で定義されています。ざっくり言えば、公開鍵を DNS に公開しておき、メールサーバーから外部へ送信時にメッセージのハッシュ値を秘密鍵で暗号化しヘッダーに不可するものです。受信側はヘッダーを公開鍵で復号し、メッセージのハッシュ値と照合することでメッセージが改変されていないことを確認できます。
当然ながらキーを Domino 側で作成する必要があります。keymgmt コマンドを使用しますが、作成されたキーは「証明書ストアデータベース (credstore.nsf)」に格納されます。 詳細な手順は下記を参照してください。
DKIM についてはその仕組みを理解しておくことが重要です。「DKIM 署名キー用に作成したファイルの情報を使用して、DKIM 署名キーの TXT レコードを DNS ドメイン設定に追加する」という作業があることにも注意しましょう。